今日はお休み。それで以前から楽しみにしていた映画「この世界の片隅に」を観て来ました。
2年前の9月、広島県呉市の「大和ミュージアム」で、第8回艦船模型合同展示会に参加させて頂いた時、会場横に1枚のポスターが貼られていました。巡洋艦青葉をほぼ真後ろから描いたものでした。水彩画タッチでしたが細部まで描き込まれた素晴らしいもので、「呉が舞台の戦争(反戦)映画なのかなぁ?」って感じでした。いつ公開するのかと首を長くして待っていました。
それが、「この世界の片隅に」だったのです。題名、ちゃんと覚えてなくて。
極力情報を取らずに見ようと思っていましたが、それでもネットで「当時の呉や広島の街を徹底的に調べて再現しているらしい」とか、「アフレコをしたのんの演技が素晴らしい!」というのが耳には入ってきていました。でも予告編も観ずにチケットを取っていました。
素晴らしい映画でした。個人的には今まで観た映画でも一番と言ってもいいかも。
ネタバレ出来ないですが少しだけ感想を。
絵を描くのが大好きな、ほんわかタイプの女の子が主役のすずさん。最初あたりの展開がちょっと読めなくて、「まさか、夢見がちな女の子が描くファンタジー?」みたいな(笑)でもそれもちゃんと意味があるんですよね。
さて、きっと当時を再現してるんだろうなぁという広島や呉の街の様子はもちろんだけど、その生活感が凄い!わたしの年齢では当時の生活が懐かしいという事はありませんが、それでも農家の友人宅に行くとまだ薪で沸かすお風呂やカマドがありました。薪のお風呂には入った事がありますが、自分で沸かした事はありません。でもその光景は記憶にあります。映画では日々の生活としてそんな道具や食事の描写が続きます。それがとても活き活きとしてるんですよ。なんだろう、嘘じゃない感じというか、「そうか、こうやって生活してたんだなぁ」って。男尊女卑の時代だし、好きな人と結婚できる時代でもないし、なんですずさんは自分の意見を言わないの?っても思うけど、日本人はこういう時代と意識で生きて来たのは否めないんですよね。
昭和一桁代から終戦までが主な時代の映画です。舞台が呉と広島というなら、もちろん悲劇が待ち受けてるのですが、戦中の生活がこれほど丁寧に描かれているのも私的には初めです。のほほんとしてたすずさんが本当に逞しく感じられます。そして終戦の日、一番大人しかったすずさんが・・・
これでもかってくらいに痛みつけられて、耐えて我慢して、それでも生きていくんですよ。暗い時代なのに時には明るくね。
戦争の悲しみを一番受けていた女性たちのちょっとした会話の裏に見える苦しみと強さに、余計にこちらがつらく感じてしまったり、圧倒されたり。そして本当に、のんさんの演技が素晴らしい!
これって、アニメに合わしたのかなぁ。それとも演技にアニメを後付けしたんだろうか?なんにしても、のんさんの声がぴったりでした。
とにかく、人間は生きることが大事。そしてパートナーがいるって素晴らしい。
夫婦っていいよね・・・って事で、妻にひと月早いクリスマス・プレゼントを買って帰りましたとさ。
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